ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
「ありがとうございます!王子の涙もらっちゃった!!」
私は、その涙をじっと見つめていた。
自分でもおかしいと思うけど、こんなことが嬉しい。
「陽菜、俺に惚れすぎじゃ。だめだって言っただろ・・・」
王子は、そう言いながら、私のおでこに手を伸ばし、強引に前髪をかきあげた。
そして、私の髪の毛を乱しながら、ちょっと困ったような優しい顔で笑った。
「困ったガキじゃぁ。」
王子は立ち上がった。
私は、王子に触れられたおでこが熱くて、顔が燃え出しそうだった。
「行くぞ・・・」
「はい!!」
王子は私の手に自転車の鍵を握らせた。
一瞬手を繋いだような感じになって、私はまた嬉しくなった。
「顔赤いけど、夕日のせいか?」
王子は、ビルの間から見える夕日を見上げて、眩しそうに目を細めた。
「晴斗さんのせいです。」
「俺を困らせるな。これ以上、かわいいこと言うな・・・もう会えなくなるぞ。」