ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
嫌いになんてなれないよ。
一秒一秒好きになる。
王子・・・
『キスしよな』って言ってくれた。
でも、嫌いになるなんて無理だから、一生キスできないね、私達。
私は自転車にまたがり、何度も王子に手を振った。
王子は面倒臭そうに、手を上げて、呆れたように笑っていた。
最近様子のおかしい私にお母さんは、ずっと何も聞かなかった。
でも、わかってくれていた。
「陽菜、好きな人できたんでしょ。最近おかしいと思った。」
ニヤニヤしながら、オムライスを頬張る私に言った。
「え!!!!すごいお母さん!!知ってたの!?」
「そりゃ17年もあなたの母親してるんだから、わかるわよ。」
母親として、王子は、あまり嬉しくない娘の恋の相手かも知れない。
もし、王子と山田と優雅のことを全部話せば、間違いなく、最初に却下されるのは王子だろう。
誰が聞いても、優雅が一番オススメなんだと思う。
「うまく行くといいね。困ったらいつでも相談乗るから。」
お母さんはそれだけ言うと、お風呂に入った。