ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
「陽菜!!見て!!」
元気を取り戻そうと亜沙子は、笑顔で市役所を指差した。
そこには、久しぶりの王子スマイル!
こうして教室の窓から見る王子が・・・たまらなく好きだ。
王子は一生懸命働いている。
昨夜、あんなに飲んでいたのに、テキパキと動いて、ちゃんと仕事をしていた。
王子が早くこっちを見てくれないかなと、私はドキドキしていた。
そんな幸せな気持ちをぶち壊したのは、山田だった。
山田は、どうしてそんなことを私に教えるんだろう。
「佐藤!新情報教えてやろうか?姉貴、昨日の夜、キスしたらしいぞ!」
私は授業中にも関わらず、教室から走って出て行った。
廊下を走って、一番奥にある音楽室まで走った。
音楽室に入ろうとドアを開けた。
「あ、すいません。」
ピアノの前に座っている女の人がいた。
習っていないから名前は知らないけど、多分音楽の先生だ。
入学式の日に、綺麗な人だなって思ったことがあった。
私は居場所がなくなり、走ってきた廊下をゆっくりと歩いた。