ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~



王子は、私の手を優しく持ち上げて、王子の唇に近付けた。


温かい王子の唇が、私の手の甲に触れて、私は倒れそうになった。



「ガキ。・・・それで、すねたのか?」


私が頷くと、王子はまた私の手の甲にキスをして、

今度は唇をなかなか離さなかった。



ドキドキした。



もう倒れる寸前だった。



市役所の廊下はとても静かで、王子が私の手から唇を離す音が響いた。




「俺に確認してからすねろ!王様ゲームじゃ・・・しかも、山田さんの先輩が、わざと仕組んで・・・無理矢理・・・させられたって感じで。まぁ、確かにキスしたけど、そこには全く愛もないし・・・わかんべ?」





王様ゲームだったんだ。


早とちりだった。




その日に電話をして、真相を聞いておけば、こんなにも長い時間悩まなくて済んだ。


こんなにも王子を遠く感じることもなかったんだ。



「キスすれば、機嫌直る?」








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