ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
「王子と離れたくない。王子のそばにいられるだけでいい。」
本心だよ、王子。
無理してないよ、私。
彼女になりたい気持ちはあるけど、離れてみて気付いたんだ。
王子がそばにいないと私は、心に穴が開いているようで、何かが足りないと感じてしまう。
彼女じゃなくてもいい。
王子のそばにいたい。
無理していないのに、どうしてそんな悲しい顔をするの?
「陽菜・・・もっとわがままになれよ。」
王子は、私の前髪を人差し指で揺らし、またため息をついた。
それから、王子は先輩から呼び出され、飲み屋に行った。
私は、王子のあの悲しい表情が忘れられなかった。
何を抱えてる?
それから、私と王子は、また教室の窓から手を振り合うようになった。
もう喫煙女とイチャイチャしたりすることもなく、以前のような平和な毎日が続いた。
電話もほぼ毎日かかってきた。
でも、何か違っていた。
いじわるじゃなかった。
王子はいつも優しくて、それがとても不安だった。