ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~



「先生・・・」



そこには、昔俺が好きだった先生が立っていた。




「久しぶりね・・・」



俺が、高校に入学して、最初に好きになった女性。


大人の女性に憧れる16歳の俺が恋をしたのは、26歳の音楽の先生だった。



ピアノが得意な俺は、ピアノの練習をするという口実で毎日先生に会いに行ってたっけ。



俺は、変わらない笑顔を見て、当時のことを思い出していた。




音楽室で、俺が突然告白をしたこと・・・



先生は、びっくりした顔で、『私もあなたに惹かれてる』と言ってくれた。




でも、先生が俺を受け入れてくれることはなかった。



彼氏がいるのかどうかも知らなかったが、教師と生徒の恋なんて、やっぱり無理だったんだ。




その後、俺はイタリアへの留学が決まり、先生を忘れるにはちょうどいい1年間だった。




先生以上に好きになれる人に出会えなかったけど、帰国して・・・俺は陽菜ちゃんに出会った。



そのせいで、俺は、この学校に戻ってから一度も先生を探さなかった。


まだこの学校にいることは知っていたし、時々遠くから見かけたこともあった。


でも、声をかける気はなかった。




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