ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~


私が今日誕生日だと言うことを、できるだけ誰にも知られないようにしていた。


優雅と山田の、私への愛情合戦が始まりそうで・・・


優雅と山田の殴り合いからしばらくして、山田に呼び出された。


喫煙女から頼まれて、最初は冗談半分で告白してしまった、と真剣に謝ってくれた。


気付くと、本当に好きになっていたんだと・・・また告白をされた。




「俺を好きになることはないってわかってる。だけど、今はこういう気持ちだってことを知ってほしくて。」




山田の申し訳なさそうな表情を見ていると、なんだか山田の気持ちも、喫煙女の気持ちもわかるような気がした。



好きになると、見境がなくなってしまうことがある。


喫煙女は、私なんかよりもずっとずっと長く王子に恋をしている。


でも、進展がなくて、新たに現れた変な女子高生と王子が接近していることに危機感を覚えた。


仕方がないよね。


それだけ、王子のことが好きなんだ。



亜沙子は、喫煙女も新井先生も悪女だって言ってたけど、どちらかと言えば、喫煙女の方が、理解できるんだ。



一途にずっと王子を愛して、その結果、悪の道に入り込みそうになった。



でも、弟に説教されて、今では悪いことをしたと反省している。




新井先生はどうなのかな。


王子の運命の人だと思って、しばらく観察を続けたけど、やっぱり好きにはなれなかった。

口には出さないけど、軽い人に見える。



色気もあって、細くて綺麗だけど、王子のことをどれくらい好きなのか、わからない。



嫌いにはなりたくないけど、嫌いなタイプだった。



亜沙子は言う。

『モテる悪女とモテない悪女』って。



確かにそうだ。

でも、モテる悪女の方が厄介だ。



王子の愛する人は、今日も体育の男の先生と仲良く昼ごはんを食べていた。





< 264 / 466 >

この作品をシェア

pagetop