ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
詳しいことは、知りたくないと思った。
もうどうでもいいよ。
この2年半、佐知子が誰とどんな恋愛をしてきたのか、気にならなくもないが、知りたいとは思わない。
傷つかないと言えば嘘になる。
少なくとも俺は、2年半の間、恋愛を休んでいた。
佐知子との結婚に向けて、自分の気持ちを整理する時間だった。
愛していた人の裏切りをわざわざ自分から聞きたいとは思わない。
「佐知子・・・幸せになれよ・・・」
俺は、静かに音楽室を出た。
後ろから誰かの足音が聞こえたので、振り向くと…そこには優雅がいた。
「陽菜ちゃんは、さっき帰りました。」
「そうか、ありがとう。」
何も言わずに、校門まで2人で歩いた。
男同士、何も言わなくても分かり合えた。
俺も優雅も、佐知子を好きになり、傷ついた。
そして、天使のような陽菜に恋をした。
他人とは思えなかった。