ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
「明日、陽菜ちゃんの誕生日ですから!!」
別れ際、優雅はライバルに向かってそんなことを言ってくれた。
「ば~か!わかってるよ!」
優雅は、照れ臭そうに、でもとても嬉しそうな笑顔で俺に手を振った。
その夜、俺はA4のFAX用紙に、サインペンで大きく『禁煙』と書いて、部屋に貼った。
12時になり、陽菜におめでとうの電話をしたかった。
でも、心の中にまだ佐知子がいるような気がして、電話をかけることをやめた。
このまま、佐知子が俺を忘れてくれることを願うが、そうも行かないかも知れない。
陽菜に辛い思いをさせてしまうかも知れない。
佐知子が陽菜のことを知ってしまうことが一番怖かった。
陽菜、耐えられる?
まだ俺は、完全に綺麗さっぱりお前だけの男にはなれていないけど・・・大丈夫?
俺は、家の中にある佐知子との思い出のものを全部捨てた。
写真も、おそろいのコップも、手紙も捨てた。
驚くほど、未練がなかった。
捨てたくないと思うものは何もなかった。
それよりも、早く、清い体と心になって、陽菜に告白したいって思ったんだ。