ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~


俺が廊下を走っていると、校庭に悟の姿が見えた。


サッカーボールを蹴りながら、汗を飛ばしながら走る姿に、見入ってしまった。



そして、ため息をつく。



俺は、何をやってる?


俺は・・・何がしたいんだ?




悟は、俺をうらやましがるけれど・・・俺は悟がうらやましい。


何かに夢中になってる悟は、俺よりずっと男らしくてかっこよく見えた。





その時の俺は、きっと何を見ても、落ち込んでしまったんだと思う。




俺は、陽菜ちゃんの笑顔が見たくて仕方がなかった。



陽菜ちゃんの笑顔さえあれば、俺はまた笑うことができる。




教室へ向かう途中の廊下で、俺の一番会いたい人に会えた。



「優雅!どしたの?そんなに走って。」




俺に向けられた笑顔が、とても眩しかった。




「陽菜ちゃん・・・陽菜ちゃんは幸せ?」



俺のわけのわからない質問に、陽菜ちゃんは笑顔で答えた。




「うん!!幸せ!!!」




俺は、陽菜ちゃんに手を振り、また音楽室へ向かった。







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