ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
「大沢先輩いますか??」
突然、教室のざわめきが消えた。
私達の教室の後ろの扉から顔を出したのは、1年生らしき女の子2人。
違う学年の教室に来るなんて相当勇気がいると思う。
しかも、プリンス優雅を呼び出すなんて。
と、言っても、うちのクラスの中ではもう優雅のキャラが変わっていて、誰も嫉妬したりすることはないけど。
「優雅~!後輩からの呼び出しだぞ!!」
扉の近くにいた男子が、冷やかすように優雅を呼んだ。
優雅は私の机から手を離し、頭をポリポリとかいた。
もしかして、告白?
こんな場面は何度も見てきたけど、後輩が教室に来るなんて初めてだった。
「ちょっと、いいですか?友達が・・・」
優雅は本当に優しいから、こういう時、照れていてもちゃんと対応する。
相手の気持ちになって行動することができる優雅は大人だと思う。
「ここじゃ、話しにくいと思うから・・・あっち行こうか?」
さっきまで私にいじめられて半泣きになっていた優雅が、急に男らしく見えた。
背の高い優雅の前に現れた少女は、とても小柄で色が白くて、かわいい子だった。
「ありがとうございます!!」
優雅の顔も見れず、うつむいたままの女の子の肩に、優雅は軽く手を乗せた。
「先、行ってて。理科室の前辺りで待っててくれる?」
そういう気遣いも最高なんだ。
だって、優雅と一緒に1年生が歩いていたら、絶対に目立つし、からかわれる。
「絶対ついてくんなよ!」
優雅は、隣でニヤニヤしていた山田に向かって、怒鳴る。
山田は「はいはい」って言いながら、優雅の腰をくすぐった。