ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~



夕日がフロントガラスから差し込んでいた。



眩しくて目を細めながら見た。




「王子ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」




ほんのり香水の匂いのする車の中。



私の叫び声が窓に当たって跳ね返る。





小さなグレーの小箱。


赤いリボン。


中を見なくても、これが何なのかわかった。




お母さんから昔こんな箱をもらって、中におもちゃの指輪を入れたことがあったっけ。


もちろん誰かからもらったことなどない。



「ゆ・・・び・・・わぁ!!!うわぁ!!」




王子の作戦にまんまとやられてしまった私は、その箱をひざの上に乗せたまま、嬉し涙を流した。




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