ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
実は、私の誕生日の前日に、王子は私の高校に来たらしいんだ。
全く知らなかった。
王子は、誕生日に私に告白することを決めて、それまでに新井先生とのことをすっきりさせようと、学校まで会いに来た。
そこで、偶然王子に会って、一緒に音楽室まで行った。
そこからは詳しく話してくれなかったんだけど、王子はきっぱり言ってくれたんだって。
『好きな人が出来た』って。
新井先生はどうだった?と聞いても、優雅は『まぁ、大丈夫だよ!』と誤魔化した。
優雅は、心から安心した表情で私を見つめた。
「はぁ・・・俺さ、やっぱ陽菜ちゃんのこと好きなんだよな。きっと、陽菜ちゃん以上に好きな人なんてできないじゃないかな。なんてね・・・」
優雅は立ち上がって、学生服の砂をはらった。
「優雅・・・あんたのこと、最高に好きだよ!気持ちにこたえられなくてごめん。でも、あんなのこと一生失いたくない!!」
「最高に嬉しいよ。一生、友達でいよう。その為にも、俺は陽菜ちゃんを友達として好きにならなきゃね!」
優雅は、『舞ちゃん、舞ちゃん』と言いながら、私から離れた。
無理してるのかな、優雅。
私を気遣って、新しい恋をしようとしてるの?
舞ちゃんを好きになろうと、頑張っているのかな・・・
苦しいよ。
優雅。
もし、そうだとしたら・・・辛すぎるよ、優雅。
私も王子の為だったら、同じことをしていたかも知れない。
王子と一生友達でいられるなら、私は他に好きな人を作って、王子を安心させようとしただろう。
でも、やっぱり心の奥では王子以上の人はいないって感じてしまうんだ。