ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
「新井先生は、どこが好きだったんですか?」
教えたこともない生徒に『新井先生』と言われ、動揺した。
私は、教師なのだ。
でも、その前に女。
「あなた、晴斗のこと、何も知らないでしょ?」
純粋過ぎる佐藤さんにイライラして、はっきりとわかるように言った。
今の一言で、佐藤さんも私の呼び出した理由がわかるだろう。
晴斗が頼んだなんて嘘だって・・・
やっと気付いた?
まだまだ子供な佐藤さんを見下した。
「何も知らないかも知れません。出会ってからそんなに時間も経っていないですし、まだ晴斗さんの家族の方にも会ってません。」
私のいじわるな質問に、何を、バカ正直に答えてるの?
イマドキの高校生ってもっと生意気で、偉そうなんだと思ってた。
「でも、今まで感じたことのない気持ちになったんです。」
私が期待していた女じゃなかった。
もっと生意気で、私のことを「くそばばあ」って言うくらいの女が良かった。
それなら遠慮せず、ほっぺたひっぱたいてやれるのに。
「高校2年になるまで、本当に誰かを好きになったことがなかったんです。晴斗さんと一緒にいると、本当に嬉しくて、話していると、ずっと一緒にいたいって思えるんです。だから・・・まだ何も知らないけど、信じられるんです。」
私から目をそらさなかった。
佐藤陽菜は、私が忘れてしまったモノを持っている。