ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
「晴斗に捨てられるよ、いつか。」
「そうですね・・・そうかも知れません。私子供だし、いつもガキって言われてるし。でも、晴斗さんと出会えて本当に幸せだったんで、この先何があっても後悔はしません。新井先生も後悔してないんじゃないですか?」
私が呼び出した本当の理由がまだわかっていないようだ。
嫌がらせをしているはずなのに、この子にはそれが伝わっていないようだった。
「後悔? 私は後悔だらけの人生だから。あなたにはわからないわ。」
真っ直ぐなこの子の目をこれ以上見ていられなかった。
私も、最初はこんな風に晴斗を愛していたはずだった。
一緒にいたい、もっとそばにいたいと思っていた。
それなのに、いつの間にか、その気持ちを忘れていた。
私がこの子のように、真っ直ぐに晴斗だけを見ていたら、私は晴斗と結婚できたかな。
3年間、晴斗だけを見ていたら、晴斗は私を信じてくれたかな。
優雅や、小早川先生に逃げた私・・・
後悔だらけ。
「泣かないで、先生。」
憎まれてもいいくらいのひどいことをした私の肩に手を置いた。
そして、優しくその手を動かした。
「新井先生、私のせいでごめんなさい。」
謝らなければならないのは私の方なのに。
「先生のピアノ、よく聴いてたんです。放課後に時々聞こえてたんで。」
泣いている私の隣で、佐藤陽菜は、私を慰めた。