ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
先生がこっちを向きそうになると私は前を向く。
ほぼ毎日怒られるけど、同じ授業の中で2度怒られることがないのが私のかわいい所。
・・・なんて、自分で言っちゃったりして。
前を向くと、目に入るのが
斜め前の席に座るサッカー部の男の子。
山田悟。
入学当時から少しだけ気になっていた男の子。
2年で同じクラスになってからは、ほんの少しだけ私の心をざわつかせる存在。
でも、彼女いるんだよね。
隣のクラスの、サッカー部マネージャー。
同じ部活内のマネージャーと付き合うなんてありがち過ぎだよ。
テニス部にも目を向けてよ・・・
古典の先生は黒板に教科書をそのまま書き写す。
その時間だけは、私は昼寝もできるし、市役所見物もできる。
1.5の視力を与えてくれた両親に感謝。
今日は、灰皿王子と目が合った。
・・・勘違いである確立100%だけど。
灰皿王子っていうのは、市役所で働く推定25歳の男性。
彼は、非常階段でこっそりタバコを吸う。
律儀に胸ポケットから携帯灰皿を出す姿に、私はキュンとした。
2週間前に初めて灰皿王子を目撃し、亜沙子が命名した。
灰皿王子は、いつもオシャレなネクタイをしている。
灰皿王子は、目が悪い。
仕事中、時々めがねをかけるんだ。
だから、こんな場所から見つめてる私の視線なんて気付くはずもない。
気が多い?
そうかも知れない。
気になる人はいっぱいいる。
でも、本気の恋をまだ知らないんだ。