ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~





電話が鳴った。


それは王子からじゃなく、意外な相手、山田からだった。



「もしもし」



『あ、山田だけど。もしかして彼氏と喧嘩してない?』




突然変なことを言い出す山田に、ばかじゃないの?と答えた。




『余計なお節介だと思うんだけどさ、姉ちゃんがお前に話したいことがあるらしくて』



私は、緊張しながら受話器の音量を上げた。




今まで、『喫煙女』なんて失礼なあだ名をつけていた山田のお姉ちゃん。



一度、研修先のホテルで遭遇して以来。




『もしもし~!陽菜ちゃん?いつもバカな弟がお世話になってます!』



思っていた話し方と違っていた。



なんだか親しみやすく、イヤミのない話し方だと感じるのは、もうライバルではないからなのか・・・




「こちらこそ・・・いつもお世話になってます」




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