ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
「陽菜ちゃん、俺に惚れた?俺、陽菜ちゃんとメールしたいなぁ…」
ちょっと寂しげな表情で上目遣いで私を見る優雅に、少し心が揺れた。
でも、私は首を横に振った。
「惚れません!あ、あと、今の話誰にも言わないから安心して。もちろん山田にも言わないよ。」
「さすが、陽菜ちゃん。ありがと。そのうち、俺に惚れるから…そのときまでは強がってたらいいよ。じゃ~ね!」
爽やかな笑顔で、ものすごい言葉を吐いた。
俺に惚れる?
どこから来るんだろう、その自信。
あ、そうか。
あの美貌があれば、誰でも落とせるって思うようになるのも仕方がないか。
私と亜沙子は、優雅に手を振った。
それから、私と亜沙子は暗くなるまで「秘密ノート」に新情報を書き込んだ。
「あ!!!!って言うか!大事なこと聞いてない。」
「あ!灰皿王子のこと!?」
「さっき、山田のお母さんには2人の子供がいたって言ってたじゃん!やっぱり、灰皿王子は山田のお兄ちゃんじゃないの?」
「でも、優雅の話の中に出てこなかったよね。お兄ちゃんのこと。」
私と亜沙子は、う~んと考え込んで、そのまま教室を出た。
あんなにいろいろ聞いたのに
私は頭の中から灰皿王子のことがすっぽりと抜けていた。
すっかり、ただの探偵娘になってしまっていた。
もし、灰皿王子が山田のお兄ちゃんなら、灰皿王子の苗字は『山田』。
そして、もし灰皿王子と結婚したら、山田は私の弟になる…