ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
「あ、そこの女の子。ちょっとこの資料声に出して読んでくれるかな?」
嫌な予感。
爽やかに見えても、灰皿王子はやっぱりSだった。
王子が指名したのは、私だった。
難しい漢字の並ぶ文章を、必死で読んだ。
王子は、ニヤリと笑いながら、「はい、ありがとう!」と言った。
嬉しかった。
絡めたことが…
知らん振りされなかったこと。
ちゃんと記憶に残っていてくれたことが…
嬉しかったんだ。
「もうあっち行ってよ!優雅のバカ!」
優雅ファンがたくさんいる場所で、バカと言ってしまった。
優雅は、寂しそうに階段を下りた。
私と亜沙子は、もう一度王子と話がしたくて、階段の途中でみんなとは逆にまた上に上った。
「メアド聞こうよ!頑張りなよ、陽菜!」
亜沙子の力強い手に引っ張られて、私はドキドキと戦っていた。
声が震えそうなくらいにドキドキしていた。