男だったら
バシッ!!


「イテッ!! 何すんだよ!!!」


「お前の乗るバス来てるぞ」


「マジ!! ヤベェ、急がねぇと。じゃあな!!!」


「早く行け! バカ!!」


「お疲れ様です」


松村先輩は私と伊東先輩に大きく手をふると、バスに向かって全速力で走っていった。



「ったくよ…。あのバカ、変な事いいやがって……」


「変じゃないですよ。私も思ってましたから……。
男だったら、甲子園に出場するっていうお父さんの夢を叶えられたかもしれないのになぁ…って」


甲子園に出場できなくても、挑戦はできたのになぁ…って。


それに……。


「それに、男だったら女の子にモテただろうし」

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