サヨナラと大好きの雨
先生は…今までの先生は。
始めは熱心に教えてくれるのに、皆だんだん私から離れて行った。


因数分解も、平方完成もままならない私に…


どうしてわからないの、


このくらいの事が出来なくてどうするんだ。



そんな最もなことを言って、何も教えてくれなくなった。



その、先生に言わせれば『これくらいの事』がわからない私はその先に進めなかった。



「俺も出来る限りのことをしてやるから、這い上がれ。二つ、約束をして欲しい」

私はコクリ、と頷く。
今までの先生と同じでも、もし1%でも這い上がれるチャンスがあるなら、留年しないなら賭けてみたいと思った。

この、怖くてヤバイ先生に。

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