先輩×後輩*林さんの恋




その言葉、頭の中でリピートされる。





おめでとう!………その一言が言いたいのに、言いたくない。



「あ………紗綾、ごめん!裏切るとか、そういうのじゃないの……」



わかってる、だって私達盛田先輩が好きだったもん。


最初から知ってた。



「眞白、よかったね」


無表情だったと思う。棒読みにしか聞こえないくらいにトーンの落ちた声。



2人の間に、溝ができたみたい。


まるで、今はもう近づかないでと、私から境界線をはったような…



「紗綾、ばいばい!」



わたしは、それを無視して帰った。



ごめん、眞白………私は子供すぎて素直になれないの。


こんな、馬鹿な親友でごめん。


心の中では、謝りたいのに…


校門前で、立っていた盛田先輩を見つけたのに、眞白を待っているんだ…と思うと、声さえかけれない。



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