先輩×後輩*林さんの恋



何回か紗綾と来たことのあるクレープ屋。

初デートの場所だったりする。

「あ、このスペシャルイチゴクレープがいい!」


隣の美桜ではない、他の誰か。

でも、凄く聞き慣れていて聞いていて心が落ち着く声。

…紗綾か?

声のした方をみてみると、紗綾と知らない男が仲良く話していた。


誰だよ、あいつ…


「翔太郎っ、これ、スペシャルイチゴクレープ!」

スペシャルイチゴクレープ、紗綾が凄く好きだったな…今も頼もうとしてたっけ。


その『翔太郎』という名前に反応したのか、紗綾がこちらを見て、驚いた顔をした。

でも、すぐに違う方を向いた。


俺と、同じ気持ちだろう…。

ヤキモチ…単に、声をかけてやればいいだけなのに、言えなかった。
悪い事をしたと自覚したかのようだった。

紗綾、隣にいる男…俺のいないところで浮気…してたのか?

本当は、違うと信じたい。でも、この複雑な気持ちは、俺の知らないところで浮気していた、なんて事を思ってしまうようにさせるんだ。

俺はしばらく放っておいてしまった美桜と話し出した。


【翔太郎side end】
< 68 / 96 >

この作品をシェア

pagetop