先輩×後輩*林さんの恋
何回か紗綾と来たことのあるクレープ屋。
初デートの場所だったりする。
「あ、このスペシャルイチゴクレープがいい!」
隣の美桜ではない、他の誰か。
でも、凄く聞き慣れていて聞いていて心が落ち着く声。
…紗綾か?
声のした方をみてみると、紗綾と知らない男が仲良く話していた。
誰だよ、あいつ…
「翔太郎っ、これ、スペシャルイチゴクレープ!」
スペシャルイチゴクレープ、紗綾が凄く好きだったな…今も頼もうとしてたっけ。
その『翔太郎』という名前に反応したのか、紗綾がこちらを見て、驚いた顔をした。
でも、すぐに違う方を向いた。
俺と、同じ気持ちだろう…。
ヤキモチ…単に、声をかけてやればいいだけなのに、言えなかった。
悪い事をしたと自覚したかのようだった。
紗綾、隣にいる男…俺のいないところで浮気…してたのか?
本当は、違うと信じたい。でも、この複雑な気持ちは、俺の知らないところで浮気していた、なんて事を思ってしまうようにさせるんだ。
俺はしばらく放っておいてしまった美桜と話し出した。
【翔太郎side end】