先輩×後輩*林さんの恋
「盛田さん、この席の方まだ来てないんですけど…」
もうすぐ、始まるというころ。
スタッフの方が私の方へ来た翔はいないから、私に声を掛けたのだろう。入籍して、"盛田 紗綾"となったものの、全然慣れない。
「まだ来てない人いるんですか?」
「永守 眞白さん…なんですけど…」
「………え?誰が招待したんだろ…」
「新郎さんが招待されたようですが、新婦側に席があります。永守さん、知りませんか?」
知らないはずがない。むしろ、毎日のように思い出してる。
翔………ありがとう。
「その席…空けといてください。」
もう、眞白は来てるよ。
「分かりました。時間が来ましたので、ご案内します」
「よろしくお願いします」
扉の前で待っているお父さんと並んで、扉が開くのを待った。