先輩×後輩*林さんの恋


「紗綾ちゃん、今日早いじゃん」


「1時間も早く来たんですけど…帰りはいつも通りの時間で帰ります」


「今日は厨房お願い」

「分かりました」


ランチタイムで満席の店内は、とても忙しそう。


私は、厨房で料理をつくるか、接客。どちらもできるので、出勤したらこういうふうに頼まれる。


着替えて、厨房にはいった。


次々にくる注文。

早速、私も調理にとりかかった。


………気持ち悪い。


調理中、料理の匂いがするのは当然のこと。

最近は、それが凄く気持ち悪くなる原因。

もしかしたら、これって…つわり、だよね。


わたしは、一つの料理を作り終わったところで、デザートの係の人と交代してもらった。

もともと、パテシェ目指してたからそれなりにスイーツはつくれる。

デザートの匂いのほうが、まだ楽。

少しは落ち着いたけど、注文がばんばんくる。

うちの店の看板メニューの、特盛パフェは、作るのが相当手間がかかる。

それなのに、たくさんの注文が入るから、作るのがとても効率が悪くなってしまう。


今日は6:00までだから頑張ろう。


私は、ひたすら手を動かした。


「紗綾、私も手伝うよ」


オープン当初から従業員として働いていたから、手際が凄くいい。

とっても助かる。


「あの、少し休憩させてください」


「紗綾が休憩なんて、珍しい。いつも頑張ってるし、1時間くらい休憩しても大丈夫大丈夫!」


「ほんとにすみません…」


3時間ほど働いたところで休憩をもらった。

3時間ずっと作業してたわけじゃないよ?注文も、結構落ち着いたりした時くらいは休んでたからね。


30分ほど休憩させてもらおう。

休憩室で、横になると少し楽になった。

………今度から、半日だけ働こうかな。パートに変更できるかな…


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