先輩×後輩*林さんの恋




  今日は私は休み。翔を見送ってから、準備をして家を出た。



  大好きな親友の家を訪ねることにしていたの。


  最近、あんまり行けなくて。でも、このことを報告したくて。


  まだ住んでいるところは地元だし、歩いて余裕で行ける距離。

  
  小さいころからよく見てきた家。いままで何回押したのだろうか。インターホンを鳴らす。


  「紗綾ちゃんね、今開けるわ~」


  聞き覚えのある優しい声。


  扉が開くと、笑顔で待ってくれている。


  「いつも、ありがとうね。さ、入って」


  「お邪魔します...」


  少し急な階段。ここでよく、あの子も転んでたっけ。


  玄関から入ってまっすぐ行き、右に曲がって突き当りの部屋。


  そこには、笑顔の親友......の写真がある。

  その前に座り、手を合わせる。


  
< 92 / 96 >

この作品をシェア

pagetop