10円玉、消えた
電話注文を受けるのは子供のときからやらされていたため、実に手慣れて堂々としたものだ。
さて、こうして出前の注文が入ったというのに、二人のバトルはまだ終わらない。
いや、それどころか益々激化しているようだ。
竜太郎はこれをなんとか止めようと、気合いを入れて声を張り上げた。
「注文だよ、注文!」
二人の声がピタッと止んだ。
そして同時に竜太郎の方を向く。
「なんだ竜太郎、帰ってたのかい?」
母親は声のトーンをグッと落として言った。
「ビックリするじゃねえか。帰ったんなら、ただいまくらい言え」
父親の方はまだバトルを引きずってるような感じである。
親たちのこの身勝手な言い方に竜太郎はムッとした。
そして怒りを露わにした口調で言う。
「とにかく注文!ラーメン二丁、黒部さんとこ。大至急だよ!」
言い終わると竜太郎はそそくさと自分の部屋に戻っていった。
商売ほったらかしでケンカなんかして、まったく呆れた親だ。
しかも親父のヤツ、ただいまくらい言え、だと。
自分が言い争いに夢中で気づかなかったくせに。
それに、せっかく電話注文を受けてやったのにありがとうも言わない。
あ~あ、ホント嫌んなるよ。
さて、こうして出前の注文が入ったというのに、二人のバトルはまだ終わらない。
いや、それどころか益々激化しているようだ。
竜太郎はこれをなんとか止めようと、気合いを入れて声を張り上げた。
「注文だよ、注文!」
二人の声がピタッと止んだ。
そして同時に竜太郎の方を向く。
「なんだ竜太郎、帰ってたのかい?」
母親は声のトーンをグッと落として言った。
「ビックリするじゃねえか。帰ったんなら、ただいまくらい言え」
父親の方はまだバトルを引きずってるような感じである。
親たちのこの身勝手な言い方に竜太郎はムッとした。
そして怒りを露わにした口調で言う。
「とにかく注文!ラーメン二丁、黒部さんとこ。大至急だよ!」
言い終わると竜太郎はそそくさと自分の部屋に戻っていった。
商売ほったらかしでケンカなんかして、まったく呆れた親だ。
しかも親父のヤツ、ただいまくらい言え、だと。
自分が言い争いに夢中で気づかなかったくせに。
それに、せっかく電話注文を受けてやったのにありがとうも言わない。
あ~あ、ホント嫌んなるよ。