10円玉、消えた
第三話 10円玉占い
老人はニコニコしながら10円玉を差し出している。
竜太郎は呆然とした顔でそれを受け取った。
会っていきなり「占いをしてあげよう」なんて、全く変な爺さんだ。
でもこの爺さん、元々は占い師なのかもしれないな。
そういえばそんな風にも見える。
「あの…これで一体何を占うんですか?」
と竜太郎が聞く。
「これはな、自分が将来どんな仕事をするかを占うものなんじゃ」
まさにそのことで悩んでいた竜太郎にはグッドタイミングである。
「へぇ~スゴいなあ」
竜太郎は子供のような口調になった。
「さっき君は自転車屋のおニイさんと話しをしておったろ。将来のことでな。盗み聞きする気はなかったんじゃが、そのときの話しが耳に入っての。随分と悩んでおったようじゃから、出過ぎたマネとは思ったが、こりゃ一丁占いでもしてあげようと考えたんじゃ」
この老人、見かけだけではなく耳の方もかなりしっかりしているようだ。
「そうだったんですか」
「どうじゃ、自分の将来を知りたいじゃろ」
「もちろんです。でもこの占い、当たるんですか?あ、すいません、ヘンなこと聞いて」
「ハハハッ、そんなの構わんよ。心配いらん、百発百中じゃ」
竜太郎は呆然とした顔でそれを受け取った。
会っていきなり「占いをしてあげよう」なんて、全く変な爺さんだ。
でもこの爺さん、元々は占い師なのかもしれないな。
そういえばそんな風にも見える。
「あの…これで一体何を占うんですか?」
と竜太郎が聞く。
「これはな、自分が将来どんな仕事をするかを占うものなんじゃ」
まさにそのことで悩んでいた竜太郎にはグッドタイミングである。
「へぇ~スゴいなあ」
竜太郎は子供のような口調になった。
「さっき君は自転車屋のおニイさんと話しをしておったろ。将来のことでな。盗み聞きする気はなかったんじゃが、そのときの話しが耳に入っての。随分と悩んでおったようじゃから、出過ぎたマネとは思ったが、こりゃ一丁占いでもしてあげようと考えたんじゃ」
この老人、見かけだけではなく耳の方もかなりしっかりしているようだ。
「そうだったんですか」
「どうじゃ、自分の将来を知りたいじゃろ」
「もちろんです。でもこの占い、当たるんですか?あ、すいません、ヘンなこと聞いて」
「ハハハッ、そんなの構わんよ。心配いらん、百発百中じゃ」