何万回もの笑顔 ~最後の笑顔~
「でも、まだ梨乃ちゃんが好きなら、
なんで私にそんなこと……。」
「椎乃が、
“私を梨乃ちゃんだと思ってくれてもいい”
って、そういってくれたじゃないか。
梨乃…、なんだろ?」
「ねぇ、恭朶くん、頭、おかしくなっちゃった?
椎乃ちゃんは、梨乃じゃない。
椎乃ちゃんは、椎乃ちゃんなんだよ?」
ことがそういう。
確かに私はそういった。
でも、私は梨乃ちゃんなんかじゃない。
梨乃ちゃんにはなれっこない。