一日だけの夏恋
そう言う彼女に僕は胸が苦しくなった。
そして彼女に何かしてあげたいって思ったんだ。
「僕がここで見ててあげますから、
泳いできていいですよ」
それで、すこしでも君がらくになれるのなら・・・
君が過去に立ち向かう傍にいてあげよう。
それが今僕が君に出来る事。
僕がそう言うと
彼女は一瞬、驚いたような顔をしたが
長い沈黙の後、ポツリとありがとう、と
言い、ワンピースを砂浜に脱ぎ捨て、
海の中に入った。