戦乙女と紅~東方同盟の章~
「同盟には参加してやらんでもない。そう言った筈だ」
玉座の背もたれに寄りかかる獅子王。
「だが、独自の判断で行動すると仰っていた。それでは困る。同盟を結んだ以上、他国とも足並みを揃えてもらわねば」
「たかだか兵数十万程度の国とか?」
私の言葉を、獅子王は一笑に付した。
「我が国は単独でも大抵の敵と渡り合える。別に同盟など結ばずともな。今回の同盟、貴様らにとっては妙案かもしれぬが、獅子の国にとっては何の旨みもないのだ。ただ厄介なお守りが増えるだけでな」
「……」
確かにそう言われれば、こちらとしては返す言葉もない。
「だが…」
獅子王はニヤリと笑う。
「乙女、貴様のその案には少し感心もしていた所だ」
「感心?」
私は問い返す。
「そうとも…綺麗事や理想ばかり並べ、いつまで経っても女王の自覚芽生えぬ貴様に正直いらついてもいたが…やっと世渡りというものを覚えたらしい」
彼は私を見下ろすように言った。
「長いものには巻かれよ。寄らば大樹の陰…強い者に取り入り、庇護を受けるという事を覚えたか」
「な…に…!?」
その言葉に、私は憤った。
「ならば取り入る時には手土産の一つも必要な事ぐらい、貴様もわかっただろう?何を持ってきた。手ぶらな所を見るに…貴様のその身が手土産か?」
玉座の背もたれに寄りかかる獅子王。
「だが、独自の判断で行動すると仰っていた。それでは困る。同盟を結んだ以上、他国とも足並みを揃えてもらわねば」
「たかだか兵数十万程度の国とか?」
私の言葉を、獅子王は一笑に付した。
「我が国は単独でも大抵の敵と渡り合える。別に同盟など結ばずともな。今回の同盟、貴様らにとっては妙案かもしれぬが、獅子の国にとっては何の旨みもないのだ。ただ厄介なお守りが増えるだけでな」
「……」
確かにそう言われれば、こちらとしては返す言葉もない。
「だが…」
獅子王はニヤリと笑う。
「乙女、貴様のその案には少し感心もしていた所だ」
「感心?」
私は問い返す。
「そうとも…綺麗事や理想ばかり並べ、いつまで経っても女王の自覚芽生えぬ貴様に正直いらついてもいたが…やっと世渡りというものを覚えたらしい」
彼は私を見下ろすように言った。
「長いものには巻かれよ。寄らば大樹の陰…強い者に取り入り、庇護を受けるという事を覚えたか」
「な…に…!?」
その言葉に、私は憤った。
「ならば取り入る時には手土産の一つも必要な事ぐらい、貴様もわかっただろう?何を持ってきた。手ぶらな所を見るに…貴様のその身が手土産か?」