戦乙女と紅~東方同盟の章~
俺は乙女を見張りの兵に任せ、部屋を出て行った。

石段を降りながら、思案する。

これで乙女の心は完全に折れた。

最早俺に逆らう気力も起きまい。

また逆らえば、もう一度…今度はもっと強烈な精神的苦痛を与えるだけの事だ。

そうして俺に絶対服従を誓った後は…。

俺はニヤリと笑みを浮かべた。

この地に名を馳せる、見目麗しき戦乙女。

その乙女が俺の手元にあると思うと、欲望を抑え切れなかった。

一生俺の愛玩奴隷として飼ってやるのもいい。

散々慰み者にしてやった後、最後はしっかりと調教して奴隷市に出すのも悪くない。

かの戦乙女の成れの果てだという謳い文句で売りさばけば、相当な値がつきそうだ。

それこそ、一国が丸ごと買い占められそうな額がな。

全く、笑いが止まらない。

戦乙女、まさしく加護を導く女神という訳か。














小塔に、笑い声がこだました。









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