戦乙女と紅~東方同盟の章~
第五章 悲しき戦い~乙女の叫び~
獅子王
王宮のテラスから眼下を見下ろす。
大地を埋め尽くすかのような軍勢。
女神国以下、五つの国の軍総勢五十万。
まさしく大軍だった。
「何事だ。全軍率いての進軍とは穏やかではないな」
俺は不敵な笑みを浮かべて言う。
「まるで我が国に侵攻してきたかのようだが?」
「場合によってはそうなる」
あのエメラルドの甲冑は女神国の女神兵、だったか。
軍を率いている仮の指揮官らしき騎士が、俺に向かって生意気な口をきいた。
「乙女はどこへ行った。すぐに我らの前に姿を見せてもらおう」
「言っている事がわからんな」
俺は嘲笑う。
「使者に伝言を預けた筈だ。乙女は東方同盟の全権を俺に委譲し、その足で西方へと向かった。同じように同盟を結ぶ為にな」
「ふざけるな!!」
「子供騙しな!!」
兵士達が口々に叫ぶ。
「そのような世迷言、我らは認めぬ。乙女は我々に直接の言葉もなく、国を空けるような事はしない」
指揮官が真っ直ぐ見据えて言った。
大地を埋め尽くすかのような軍勢。
女神国以下、五つの国の軍総勢五十万。
まさしく大軍だった。
「何事だ。全軍率いての進軍とは穏やかではないな」
俺は不敵な笑みを浮かべて言う。
「まるで我が国に侵攻してきたかのようだが?」
「場合によってはそうなる」
あのエメラルドの甲冑は女神国の女神兵、だったか。
軍を率いている仮の指揮官らしき騎士が、俺に向かって生意気な口をきいた。
「乙女はどこへ行った。すぐに我らの前に姿を見せてもらおう」
「言っている事がわからんな」
俺は嘲笑う。
「使者に伝言を預けた筈だ。乙女は東方同盟の全権を俺に委譲し、その足で西方へと向かった。同じように同盟を結ぶ為にな」
「ふざけるな!!」
「子供騙しな!!」
兵士達が口々に叫ぶ。
「そのような世迷言、我らは認めぬ。乙女は我々に直接の言葉もなく、国を空けるような事はしない」
指揮官が真っ直ぐ見据えて言った。