別冊 当て馬ならし
「あと、あの時のお礼を
 きちんと・・・言いたくて、
 ありがとうございました!!!」
彼女は深々と頭を下げる。
ちっちゃい彼女が
お辞儀をすると、
床に頭が付いちゃいそうで可愛らしい

あいかわらずの素直さ
にほっこりする。
きっとアル王子も
こいうのに癒されてるんだろうね。
「いえいえ、大変な目にあったのは
 お互い様だよ」
「あの・・・初日の劇場の時の
 ありがとうございますもあります」
あぁ、と思い出した。
あのあと、王子が来たとき
ちゃんと話せていたという。

ジフェルのせいで
無理やり落とされたんだろう、
あいつにとって彼女の魔力は
亥の一番に欲しかっただろう。
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