別冊 当て馬ならし
「あいつの才能は類稀だから、
 自分はその先走る感情を
 止める役目をしなければと
 ・・・ちょっとあいつを
 見くびっていたのかもしれません。」
そう言いながらアル王子は
とても嬉しそうだ
「でも、あなたがいると
 あいつは感情的になりながら、
 しっかり自分を制御できてる。
 あなたを守るために
 それを自然と身に着けたようです。」
あ・・・命を投げ出すほどの大技は、
感情だけで突っ走っては
決して成功しない。
私を目標にして飛ぶ空間移動・・・

「ラルはなんやかんや言いながら
 一歩引いて、自分に遠慮するようなところが
 あったんですけど、『あいつは』
 クラァス姫、貴方の事です。
 『あいつは俺のものだから、
 兄貴の花嫁候補からは外す!』
 って親父と自分を前に
 宣言した時に、ああ・・
 自分の役目は終わったなって
 思ったんです。」

えええ・・・・!!!
あのあの・・・それ、
またすごい暴露話してますけど
・・・いいんですか?
私は、もう顔が赤くなって、
掴んでいたはずのレヒューラの腕を
逆に支えにして立ってる状態になった。

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