別冊 当て馬ならし
当てられてる唇が動く
肩のラインをなぞるように
・・・わざと音を立ててキスされる
くすぐったくてみじろぎすると
耳を甘噛みされて
「うごくな」と息だけで命令される

そのまま、首から
背中へ唇が伝っていく
抱きしめられてるお腹の辺りから
ジーンと熱いものがやってきて
背中をゾクゾクと伝わって・・・
それが思いもよらない
甘い吐息になって漏れる
「ちょ・・・あっ・・・ラルっ・・」
熱い吐息に背中を愛撫されて、
今ここがどこだか忘れそうになった時

ジャーーーン♪

という、オーケストラの
音合わせが始まった。

ビックリした私が
「ぎゃふ」という意味不明な
叫びをあげてしまうと
ラルが笑い出した。

クククッといつまでも
終わらない笑いに
ちょっと拗ねて
立ち上がろうとしたとき

くるっと向きを変えて
横抱きにされて強く抱きしめられる。
< 21 / 122 >

この作品をシェア

pagetop