別冊 当て馬ならし
それどころか、同い年なのに
姉より掌一つデカイ

城下町にある
“牡牛角の鍛冶屋”の息子である
セルヴァンは既に
店の手伝いとして雑用をしている。

彼の父である鍛冶屋の主人は、
お父さんと昔からの知り合いで
今でも仲がいい。

今日は新しい兵士の武器の
新調があるらしく、
お店の人数人で城にやってきていた。

そんなセルヴァンは擦り傷、
切り傷、小さな火傷と生傷が絶えない。

そんなのお構いなしに
一丁前に剣一竿を持たせてもらって
得意げに城内を歩いている。

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