別冊 当て馬ならし
城内を進んでいく
セルヴァンの背中で
まだぐずぐずあたしは泣いていた。

でも・・・
なにもいわず、彼はあるいてくれた。

城内に入って勝手知ったる
あたしの部屋に向かって歩く

メイドや兵士に声をかけられる中、
あたしは顔を隠す。
セルヴァンは「おう!」とか
「どーってことねーよ」とか言いながら
ズンズンあるいてく。

なんか、今触られたら
つらいなーって事を、
セルヴァンが全部引き受けてくれてて、
辛いことが過ぎ去ってくれる。

この背中に乗っているあいだ、
全てから守られてるみたいで
安心した。

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