別冊 当て馬ならし
もう、あたしがここにきて
壁を見てる時が
どういう時か知ってるのに
あえて彼はそう言った。

それでも
あたしがが無視を決め込んでいるので
むりやり頭を掴んで彼の方を向かせる

「何した?」
日に焼けた肌にブラウンの髪が
太陽にあたって金色に煌めく
健康的に微笑んであたしを見つめる
深い緑の瞳

ここで優しく言われたら・・・
あたしは観念するしかない

セルヴァンはもう、
あたしもおねぇちゃんも
追いつけないくらい
デカクなってしまった。

身長は鍛冶屋の中で一番デカイし、
筋肉も結構ついてきて、
肩とか思いのほかがっちりしてる。

ラフに着たシャツの胸元が
すこしだけ肌蹴て
鍛えられてる胸板が見えると、
ドキドキしてしまう。

すっかり牡牛角の職人の一人として
成長していた。
< 46 / 122 >

この作品をシェア

pagetop