別冊 当て馬ならし
ひとしきり泣いて
ちょっと落ち着いたから
ハンカチで涙を拭きながら
「運命の人ってさぁ、
 こう・・・出会う運命だった!
 みたいな感じで・・
 もっとロマンチックな物語じゃない?
 それを国と国のお見合いみたいな
 そんな・・・ロマンの欠片もない話
 しかもお見合い先の国、
 なんか不穏なんだよね、
 権力争いしててさ、
 そんなところに
 おねぇちゃんいっちゃったら
 苦労しちゃうじゃん」
あたしは、思った事を
特に考えないでどんどん
言葉にしていく

とにかく心が納得してない事を
ブチブチと口をとがらせて吐き出す
セルヴァンは
「おう?」とか「んー」とか
言いながら聞いてくれる。
< 51 / 122 >

この作品をシェア

pagetop