別冊 当て馬ならし
考えてみぃ?といって
セルヴァンはあたしの
止まった思考を動かす。
「おねぇちゃん・・・
 どんどん先に進んじゃう。
 その景色はいったいどうなってるのか
 私には分からなくて、
 おねぇちゃんと
 いつも一緒の世界にいるって
 思ってたのに
 心が離れていっちゃうようで
 ・・・あたしは・・・・淋しい」
「だな・・・」
その一言で次の考えが浮かぶ
「でも・・・あたしたち
 本当は心が離れるなんて
 ないのしってる・・・」
家族だし、血がつながってるし、
なにより大好きって気持ち、
心を覗けば・・・・
おねぇちゃんもいつも思ってくれてる。

「あたしだって四六時中
 おねぇちゃんの事考えてる
 わけじゃないし・・・
 でも、でも本当に
 おねぇちゃんの幸せを
 願ってるし、でも、
 もしおねぇちゃんがどこか
 あたしの知らないところで
 傷ついちゃったらどうしようって
 ・・・不安もある」
「おまえだけが不安なのか?」
え?ちょっとよくわからなくて
首をかしげる
「お前がいないとき
 クゥねぇちゃんはどうしてたんだ?」
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