別冊 当て馬ならし
「お?さっきより大きくなったかな?
 姫様?」
あたしは立ち上がって
すこしだけセルヴァンより上の目線から
「ファルゴア王族なめんな!」
といって腰にてを当てて胸をはる。

「そんな小さな胸
 はられてもなぁ・・・」
とあからさまに
がっかりするしぐさをする。
あたしは「もーーーーー」と怒って
拳を上げてセルヴァンにとびかかる
するとセルヴァンは
ひょいって感じで
あたしの振り上げた手をとる

あたしは、ちょっとバランスを崩して
ふんばると目の前に

セルヴァンの深い緑の瞳があった・・・・

「また、立止まったら俺に言えよ・・・」
優しく深く・・・囁く・・・

あたしは、突然の事に
心臓が飛び出しそうだ・・・
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