別冊 当て馬ならし
でも・・・気づいていたらって・・・
何かが変わるわけじゃない・・・

変われないよ・・・今更・・・

そんな切ない気持ちが
風に乗ってしまったのか
セルヴァンがぐいっと顔を近づけて

「何した?」
と聞いてくる。

ちがうちがう・・・
今別に泣きたくないよ。
この言い方は
あたしの涙腺にダイレクトにくるけど
・・・今は、それはダメだ。

隠さなきゃ・・・

あたしは、
ドキドキして赤くなる顔を、
サッと気がつかれないように
誤魔化しながら距離をとり

「おねぇちゃん・・・
 今度はうまくいくよね?」
そう切り出す。
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