別冊 当て馬ならし
でも、お母さんは余裕の表情で
『まだ時がきてないのよ』って笑う。
あせらないでいいのにねぇって
言ってる。

あたしからすると先を走ってるって
思ってたおねぇちゃんだけど、
お母さんからいわせると
一生懸命、今、もがいてる
ところなんだって。

「竜が守ってんのかもなぁ・・・」
「え?守ってるの?呪いじゃなくて?」
こらこらって言って笑う
「竜を守る国の王女の言葉じゃないだろう。」
「だって・・・」
あたしは・・・俯く・・・
あたしに竜の力が無くて

・・・もし普通の女の子なら、

きっと、
とっくの昔に想いを伝えてる。

< 66 / 122 >

この作品をシェア

pagetop