別冊 当て馬ならし
本人の事で泣きそうなのに・・・
本人に慰められるなんて・・・

おねぇちゃんがいてくれたらなぁ
・・・そんな事を思いながら
ぶちぶち思考をこねくっていた。

そんなあたしの馬車が
国境近い森に入った時だった。

どぉぉぉおおん!!!

すぐ近くで何か大きなものが
倒れるような地響きがした。

何事?と慌てて馬車から
外を見ると、兵士たちも
慌てた様子で口々に叫んでいる。

特に賊に襲われているふうでもなく、
「どうした?」とか「これはまた・・・」
「けが人は!」などと緊迫感はあるが、
緊急事態ではなさそうだ。

とりあえず外に出て状況を確認する。
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