別冊 当て馬ならし
「少し休んだら戻るぞ、
 向こうも片付いてんだろう」
そう、いつものセルヴァンが
あたしの頭をなでながら
岩壁に背を預け隣に座る。

「助かった、補助ありがとうな」
優しく労われる。
・・・・・こういう顔をされると
・・・胸がドキっと反応してしまう。
そして、強く思う

・・・好きって・・・

そう思ってしまう。

この3日間はあたしは
ただただ浮かれて、
勝手に落ち込んで、
拗ねてた。

折角一緒に居るのに
・・・どんどん苦しくて
・・・セルヴァンが遠く感じてしまって
・・・片意地はって対抗しようと
してたのに。
彼はいつもの彼で

・・・大人だった。

そして・・・そんな彼を
・・・あたしはやっぱり

・・・『大好き』だったのだ。
< 95 / 122 >

この作品をシェア

pagetop