甘い唇は何を囁くか
遼子のためなら、死んでも良いー。

何だ…?

何かが、ひっかかった…?

「どうかした?」

遼子が不安そうに眉を寄せて言う。

「いや…。」

「何とかしなくちゃね、私たちが結ばれるためにも!」

遼子はそう言うと、自分の台詞に照れたのか仄かに赤くなった。

シスカは微笑んで頷くと、遼子の身体を抱き寄せた。

「わっ!」

驚いた声を上げた遼子をぎゅうっと抱き締める。

「心当たりがあるー、少し探ってみるから、待っていてくれ…。」

潤んだ瞳をシスカに向けると、遼子は小さく頷いた。

そして、ふたたび唇を重ねた。

これ以上、不安な気持ちにならないよう、きつくきつく抱き締め合いながらー。
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