甘い唇は何を囁くか
第13章 「儀式」
シスカと…過ごした甘い時間は、あっという間すぎて
自分の中でもまったく消化できていないって、分かりすぎるほどに分かってる
どうしようもないって言葉
月の光にさえも彼を思い出すのに
このまま宗眞のところになんか 行けるのだろうか・・・
抱きしめて
離さないで
このままあなたのものにして
って、言えたら・・・
それ以上のことなんてなかったに違いないのに
私は、彼のことを忘れたくない
死んでもいいけど
シスカを忘れることだけはイヤだ
月の光がかげり、
ふいに雨粒が空から舞い落ちてきた
おあつらえ向きに空模様まで曇ったみたい
行きたくない
足に鉛がついているみたい
どよんとした空と同じ
ずるずると歩いて行く
寒くてたまらなくて、泣きながらコートをかき寄せた。
自分の中でもまったく消化できていないって、分かりすぎるほどに分かってる
どうしようもないって言葉
月の光にさえも彼を思い出すのに
このまま宗眞のところになんか 行けるのだろうか・・・
抱きしめて
離さないで
このままあなたのものにして
って、言えたら・・・
それ以上のことなんてなかったに違いないのに
私は、彼のことを忘れたくない
死んでもいいけど
シスカを忘れることだけはイヤだ
月の光がかげり、
ふいに雨粒が空から舞い落ちてきた
おあつらえ向きに空模様まで曇ったみたい
行きたくない
足に鉛がついているみたい
どよんとした空と同じ
ずるずると歩いて行く
寒くてたまらなくて、泣きながらコートをかき寄せた。