甘い唇は何を囁くか
喉に流れ込む、熱いエナジー。

これほどとは・・・。

宗眞は、口の中に拡がる甘い味覚にうっとりとなりながら遼子の身体を見下ろした。

息を上げて、頬を上気させている。

泣いているのも卑猥でイイ。

遼子の中に深く浸かったまま、首筋を流れる紅い筋を舐め取った。

びくりと身体が反応する。

「くく・・・。」

思わず声に出して笑い、そっとリビングの方を見遣った。

(いるんだろ・・・)

そこにいる人の気配は、ずっと前から感じていた。

震えが伝わってくる、毛が逆立つほどの溢れ出る殺意を、ひしひしと感じるから。

銀色の髪、その碧眼が、恐ろしい光を放ち、見ている。

まさか、来るとはね・・・。

「遼子・・・。」

囁いて、深くその身体を再び突き上げる。

漏れる艶やかな声に、その香りは深みが増す。

恍惚の中に浸り切る前に、その殺意が今にも襲い掛かってくるような圧力を感じる。

宗眞は笑いをかみ殺して、泣いている遼子を抱きしめた。
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