甘い唇は何を囁くか
こういう女は、久しぶりに見た。

大概の女は、後悔や自責の念なんてものはなく、熱を帯びた目で宗眞を見てくる。

久しぶり…に、ワクワクさせられる。

どんな玩具も壊す時が、一番楽しい…。

宗眞は、泣いている遼子を見下ろして囁いた。

「そんなに泣くほど、…良かったワケだ。俺とのエッチが。」

遼子は震えて、顔を上げた。

おーーっと

そのブサイクな泣き顔も、結構クルね。

「お前が、ヤリたいんなら、俺はいつでも付き合うぜ?」

遼子は、何も答えず、宗眞に手を振り上げた。

だが、頬を殴る前に宗眞の手がその腕を掴んだ。

シーツを胸までたくし上げて、震えているさまは、凶暴性を煽る。

さながら、子鹿を前にした狩人の気持ちだ。

再び、こいつを喰うのは容易い。

嫌がろうが何だろうが関係ないのだからー。

だが…。
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